ワインの美味しさを引き出す適切な温度の秘密
「白は冷やして」「赤は常温で」って思っていませんか?
これは、半分くらい正しくて、半分は❓って感じです。
例えば、日本の夏。
気温も湿度もかなり高いです。
「白は冷やして」は、まあ良いとしましょう。
しかし、夏場に「常温の赤」はキツイです。美味しくありませんし・・・
日本は四季(今は昔ほど四季を感じられませんが)で気温がかなり違います。
季節に合わせて、一番おいしく飲める温度で飲むことでそのワインのポテンシャルを
引き出せます。
一般的に、ワインが一番美味しく飲める温度というのが下の通りです。
1. 赤ワイン(15~18℃)
- 常温で飲むと、風味が重く感じることがあります。
- 少し冷やすと酸味や果実味が引き立ちます。
「常温で美味しい赤」と「少し冷やして美味しい赤」はどう判別する?
例えば
✔軽めの赤(ピノ・ノワール、ガメイ)→ 14~16℃
✔ フルボディの赤(カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー)→ 16~18℃
ワインの酒質が重いものは、軽めのものより高い温度で飲んだ方が良いです。
しっかりと飲みごたえのある赤ワインを冷やしすぎると、渋味を多く感じますし、
何より第一印象を決める香りがあまり伝わってきません。
軽めの赤に「ピノ・ノワール」という品種を書いていますが、この品種のワイン産地は多くあり、
原産地や作り手のスタイルによって酒質は異なります。
醗酵をステンレスタンクで行った果実のフレッシュさが生き生きとしたチャーミングな味わいの
ピノと、しっかり樽熟成を行った腰の強いピノ、またヴィンテージの古い繊細なものでは
美味しく飲める温度も違ってきます。
力強いピノ・ノワールは、若々しいフレッシュな味わいのものより幾分高めの方が美味しいと思います。
ボトルのワインを飲んでいると、最初の一杯より次の二杯目の印象が違っていることがあると
思います。
立ちのぼる香りがどんどん変化し、複雑になり、最初に感じられなかった香りが出てくる。
そして、味わいの方も柔和になります。
同じワインなのに❕ どうして❔
この変化は、飲む側にとってとても楽しいことです。
この味わいの変化には大きく2つあると思います。
これは、ワインが空気に触れることで少しずつ酸化が進み、これまでボトルの中で眠っていた
ワインが呼吸し始めることで、閉じこもっていた香りの成分が出てくるからです。
現在はスクリューキャップのボトルも多くありますがコルクを打ったボトルワインの場合、
抜栓前のコルクを通してのワインの呼吸(酸化やそれによる熟成)はとてもスローです。
*抜栓することでこれまでやや酸素不足だったワインが息をする・・
といったイメージでしょうか❔
と、同時にワインの温度も少しずつ変わっていくということが挙げられます。
空気に触れ温度が上がることで香りの成分がどんどん溢れ華やかになり、赤ワインなら
次第に口中で感じるタンニンも柔らかくなっていきます。
白ワインですと最初スッキリとした酸味やフレッシュな柑橘系果実の香りが勝っていた
印象だったのがグラスの中で安定し、ややまったりとした感じになり飲み込んだ後に残る
余韻も違ってくるはずです。
2. 白ワイン(8~12℃)
- 冷やしすぎると香りが閉じてしまうので、少し冷えた状態が理想です。
- サッパリとした白はより冷たい方が爽やかに感じます。
✔軽めの白(ソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカ)→ 8~10℃
✔濃厚な白(シャルドネ、ヴィオニエ)→ 10~12℃
白ワインの場合もやはり、そのワインの酒質により美味しく飲める温度が違います。
基本的には赤ワインと同じです。
3. スパークリングワイン(5~8℃)
- シャンパンやプロセッコは、やはり冷やすことで爽快感と泡が引き立ちます。
シャンパンやスパークリングワインは泡の出るワインで、同じ泡系飲料のビールも
温いものは美味しく感じません。
ヴィンテージシャンパンでない限りスッキリ冷やした方が美味しいと感じます。
5. デザートワイン(6~8℃)
- ソーテルヌや貴腐ワインなどの甘口ワインは、冷やすことで甘さが引き締まります。
温度が整うと、ワインの味わいがより深くなります。飲むタイミングや食事に合わせて
温度を調整することで、印象がかなり違ってきますので是非飲む温度にもこだわってみて
下さい。
最後までお読みくださり有難うございます。
また次回までごきげんよう。
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