デキャンタージュする?しない?//ワインが変わるデキャンタージュ

ワイン講座
Waiter pouring the wine in a glass

デキャンタージュ🍷 その意味とは❓ 

今回は「ワインのデキャンタージュ」について、です。
これまでのテーマより、少し上級者向けのテーマになるかと思います。

皆様は家でワインを飲むとき、デキャンタージュしますか?
デキャンタージュとは抜栓したワインを、透明のガラスのカラフェに移し替える作業のことです。

「ワインによってはする」という方もいらっしゃるでしょう。

この作業をご自分でなさる方は深い知識を持ってワインを愉しんでいるでしょうから、デキャンタージュした方がいいワインとそうでないワインを判別できると思うのですが、ワインを飲み始めたばかりの方や、この作業にあまり慣れていない方にとってその判断(見極め)は迷うところです。

私は家で白ワインを飲むときも、場合によってデキャンタージュを行うのですが、「白なのに?」と質問されることがあります。

「デキャンタージュ」することの意味を少し掘り下げて考えてみましょう。

これは基本的に、デキャンタージュによって空気(酸素)に触れる面を増やして、ワインの中の亜硫酸を気化させることで酸化させて、今までボトルの中に閉じこもっていた香りの成分を引き出す、ということです。

赤ワインの場合ですと、デキャンタージュすることで瓶底に溜まった澱を取り除くこともできます。

では、「する・しない」の判断ですが、私は抜栓したワインの香りに「やや硫黄系の香り(温泉っぽい)が感じられるな」と思ったときカラフェに移します。
こうすることで。不快なこの匂いが取り除かれます。

デキャンタージュに使う瓶の形状も様々あります。

移し替えた時、液面が広くなるスライム型からもっとスマートなタイプのものや横型のもの・・・
一般的に、まだヴィンテージが若く、香りの成分が閉じているようなワインの場合、広く液面が空気に触れるような形状のものが良いでしょうし、逆に、オールドヴィンテージのような繊細で澱が出ているようなワインを同じ形状のカラフェでやってしまうと味わいを損ねてしまいます。

ヴィンテージの古いものを家で飲む場合、これはやらない方が無難です。

難しいですし、たぶんSommelierも神経を使う作業です。
ボトルをなるべく静かな状態にして、瓶底の澱がグラスに入らないようにするのが良いと思います。

ボトルからカラフェに注ぐとき、若いワインに限って言いますと、より香りを開かせる目的で行う場合、結構な勢いでバシャバシャと躊躇なくやってしまっても問題は無いです。

赤ワインですと、「ブルゴーニュはしない」ともいわれるようですが、例えばヴィンテージの若いシャンベルタンなどはデキャンタージュした方が断然美味しく飲めます。

最初に「白ワインもデキャンタージュすることがある」と書いたのですが、
これは、白は赤より亜硫酸がやや多く含まれているから、という理由です。

赤は抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれていますから、白に比べて亜硫酸は少ないです。
また、亜硫酸は脱色作用もあるので、赤ワインの場合多く使えないということです。

なので、白の場合も抜栓直後、香りの成分が少ないと感じたり、ワインとは異なる香りがあるときにデキャンタージュすることでより良くなることが多いです。

ワインをデキャンタージュすることはこのような意味があります。

もし、カラフェをお持ちで、「使ってないなぁ」という方、是非一度お試しくださいね。

最後までお読みくださり有難うございます。
皆様、ごきげんよう。

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